半切妻屋根について
「半切妻屋根(はんきりづまやね)」は、「はかま腰屋根」「ドイツ屋根」とも言われています。
日本ではあまり見かけることがないかもしれません。
切妻屋根の両側、妻(端)部分を斜めに切り落とした、小さめの寄棟屋根というようなイメージでしょうか。
この形の屋根にすることで、道路斜線制限の基準内に抑えたい時に採用されることが多いです。
屋根面数は上から見て大きい台形が2面と小さめな三角形が2面、計4面。
棟の数は「大棟」が一つに三角形を構成する小さめの隅棟が四つですので、計五つということになります。
半切妻屋根のメリット
- 長さを調整できる
- 太陽光パネルもOK
- おしゃれ
道路斜線制限や建築基準の高さにひっかかった時、屋根をカットしているため制限内に収えられます。
台形部分の面がフラットで広さを確保できるため、太陽光パネルの設置にも向いているといえるでしょう。
さらに様々な屋根材を使用することができるので、デザインもバリエーションも豊富です。
半切妻屋根のデメリット
屋根の面数、棟の数が切妻屋根に対して多くなっているため、雨漏りのリスクが高まります。
差し掛け屋根について
主な特徴ですが、2階の床面積が1回の床面積より狭い建物の屋根に多いと思います。
その1階の屋根部分である下屋と言えばお分かりの人もいるでしょうか。
下屋のことを「差し掛け」・「さしかね」とも言います。
反対に二階(最上部の屋根)の屋根を大屋根と呼びます。
この下屋は母屋にさしかけて造ってある小屋根になります。
この差し掛け屋根を採用されている建物は多いと思われます。
また差し掛け屋根の上には、バルコニーを設置されている建物も多いようです。
最近は、おしゃれな差し掛け屋根を多く見かけます。
ポピュラーな形だと、非対称であるアシンメトリー。
切妻屋根に段差をつけ、高さをに段差を付けた切妻屋根のような形状となっています。
このような形状の差し掛け屋根を、段違い屋根とも呼びます。
差し掛け屋根のメリット
- 空間が広い
- 光を取り入れられる
- 断熱性・通気性に優れている
屋根裏の空間を広く確保できます。
最近の新築では多く取り入れられていると思います。
これだけの広さを確保できるというのも、段差を付けたことで生まれた高低差にあります。
この段差部分の外壁に窓を付けることもでき、建物内への採光を図ることもできます。
このように外壁に窓を増やすことは、屋根に取り付ける天窓よりも雨漏りのリスクを減らせるメリットがあります。
その他にシンプルな造りのため、施工時にかかるコストが比較的安価であるということ、屋根裏の断熱性、通気性にも優れています。
このように、多数のメリットがある優れた形状の屋根の一つと言えるでしょう。
差し掛け屋根のデメリット
- 雨漏りリスクがある
- 屋根材でメンテナンスが変わる
「二階建てなんですが、一階の屋根の部分から雨漏りしていると思うのですが…」
と雨漏りのお問い合わせをいただきます。
この場合の主な浸水経路として、下屋上部の二階の外壁からつたってくるものが多くあります。
また、下屋から二階外壁の立ち上がり部分や、下屋自体からも水が入ってくる場合があります。
このことから、差し掛け屋根の場合、屋根だけでなく外壁から雨漏りをする可能性も非常に高くなります。
さらに外壁に取り付けられたサッシから漏れてくるということのよくあります。

これらのことを踏まえると、メンテナンスは幅広く様子を見ていく方が良いでしょう。
メンテナンスの方法は、採用されている屋根材によって分れます。
日本瓦であれば、メインメンテナンスは漆喰部分となるでしょう。
スレート材であれば塗り替え、棟板金といったところだと思います。
このように、それぞれにあったメンテナンスを定期的に行っていくことが大切です。
今回は「半切妻屋根」「差し掛け屋根」についてご紹介しました。
ここの記事に記載されていることが、全てではありませんが、問題が発生してからのお問い合わせももちろん、特に問題は生じていないけど現状把握をするという目的でのお問い合わせ、ご相談もお待ちしております。
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