天井にいつのまにか出来ていた黒いシミ。
気が付けば大きくなっていた、なんてこともありますよね。
じつは、考えられる原因は、だいたい5つに絞られてくるのです。
雨漏り、動物の糞尿、結露、合成版の接着剤が溶け出す、天井を通っている菅の水漏れ。
どれに該当するかにより、修理方法が異なってきますので、まずはどれに該当するか考えてみて下さい。
雨漏りによる黒いシミ
しみの多くはこの雨漏りが原因と考えられます。
特に、屋根に近い天井にシミが出来ている場合は、強く疑った方がよいでしょう。
天井から水が直接滴ってこなくても、じわりと浸透するタイプの雨漏りの場合は、雨水が天井裏の木をつたい、天井にシミを作っていきます。
まずはシミとなっている天井の裏を確認し、水の流れがないか調べる必要があります。
この場合、水の流れてくる経路が変色を起こしているので、天井裏にて異変が確認できるでしょう。
雨漏りの修理方法
散水調査とサーモグラフィーを並行して、雨水の入り口を調査してゆきます。
散水調査は、あらゆる角度や水圧を調整し、一か所一か所に水をかけながら調べていくため、とても時間がかかります。
職人にとっては、体力と根気が必要となってくるため、半日、もしくは一日は調査に必要だと考えておいて下さい。
雨漏り箇所が特定できたら、最優先で雨水の侵入口を補修し、次にシミのついた天井の補修をします。
通常のシミだけの場合は、漂白を使った染み抜きや、再塗装でご自身だけでもDIYで修繕できます。
ですが、雨漏りによるしみは水による木の腐食が進んでいるので、下地ボードの張替えや、天上板の張替えが必要となってくるでしょう。
緊急性 | ダメージが広がるため大いにあり |
修繕日数 | 2日~ |
天井張り替え費用 | ダメージが広がるため大いにあり |
天井張り替え費用 | 3~20万程度 (広さや材質により異なる) |
雨漏り修理費用 | 修理内容により異なる |
雨漏り調査費用 | 0~5万円程度 |
※施工面積・条件により異なる
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動物の糞尿によるシミ
動物は同じ場所に糞や尿をする習性があるため、屋根裏に住み着いてしまった場合は、一か所に糞尿の被害が出てしまいます。
それらが腐食を起こし、シミとして天井に表れていきます。
天井からガサガサと音がしている場合は、一度屋根裏を確認し、(無理なら業者に依頼)速やかに駆除作業を行いましょう。
ネズミ | 小さく、ポロポロとした糞がまき散らされる |
コウモリ | 細くぱさぱさしていて、糞の中に昆虫が混ざっている |
イタチ | 水分が多く匂いが強烈 |
ハクビシン | 大きな糞で、種などが混じっている |
動物の糞尿の場合は、人体に大きな影響をもたらします。
ダニによる被害、食中毒の危険性、アレルギーや喘息の悪化などです。
糞尿の処理を自身で行う場合は、ダニや寄生虫、吸い込みによる人体への影響が懸念されますので、マスクと手袋、皮膚の保護やゴーグルなどが必要です。
心配な場合は、専門の業者に駆除依頼をしましょう。
糞尿による修理方法
害獣の正体と侵入経路を見つけ出し、遮断。
その後、清掃と消毒を行います。
次に、被害箇所の修繕となります。
糞尿による被害の場合は、木が腐食を起こしているので、雨漏りと同様、下地ボードの張替えや、天上板の張替えが必要となってくるでしょう。
ですが、雨漏りと違って、被害が起こっている箇所は限定されるため、部分的な補修ですみます。
また、被害が大きくない場合は、依頼業者が防腐処理を行ってくれるので、天井の修繕はしなくても済む場合もあります。
緊急性 | 人体に影響が出るため 大いにあり |
駆除・修繕日数 | 2~5日程度 |
駆除費用 | 2万程度 |
天井張り替え費用 | 3~20万程度 (広さや材質により異なる) |
※施工面積・条件により異なる
結露によるシミ
家の中の水蒸気が行き着く先は、断熱材を通り抜けた天井裏です。
一般的には、溜まった湿気や熱を逃がすよう、換気口や換気棟が設置された設計になっています。
しかし、設計のミスや、湿気を逃してくれる断熱材が不十分である場合は、溜まった湿気が逃げる事が出来ず、柱に埋め込まれた金属などから水となり、周囲を腐食させていきます。
ずっと前に建てた家だから、天井に断熱材を入れていない!
と思う方もいらっしゃいますが、1970以前の家は気密性が低く、空気の流れが良かったため、屋根裏で湿気が溜まるという事はほとんどありません。
そのかわり、冬は寒く夏は暑いというデメリットもありました
空気の換気が出来ていない場合は、湿気は全体に広がり、大きなうっすらとしたシミをつくります。
また、秋から冬にかけて、天井にわずかな水滴が見られた場合です。
外気との温度差により結露が発生しますので、室内で温めた熱が外気により冷やされ、結露を生じさせます。
天井裏の湿度が異様に高かった場合は、業者に依頼をして対処してもらうようにしましょう。
結露による修理方法
屋根断熱、天井断熱、など断熱による結露対策の中で、配管や配線による断熱欠損が生じずにすむ屋根桁上断熱という工法がおススメです。
天井の上にある梁の上に、構造用合板を全体的に隙間なく打ち付け、その上に防湿シートを広げて打ち留めます。
次に、200mm以上の厚みになるよう高性能グラスウール(断熱材)を敷き詰めていきます。
そして再度、この断熱材の上の「透湿シート」を隙間なく重ねて打ち留めます。
最後に、空気の流れを良くするよう、換気棟や換気口を設けます。
いくら除湿器を使おうと、室内干しを止めようと、湿気は必ず生じてしまいます。
緊急性は低いけれど、湿度によるカビ被害も想定されるので、出来るだけ早いうちに修理をした方はよいでしょう。
緊急性 | 急ぎではない カビや白アリ被害が起こる可能性あり |
修繕日数 | 2~10日程度 |
換気棟の設置費用 | 2~3万×4か所程度 |
断熱材防湿費用 | 9~15万程度 (撤去費用込み) |
天井張り替え費用 | 3~20万程度 (広さや材質により異なる) |
※施工面積・条件により異なる
合成版の接着剤
コストを削減するため、天井に木の木目調を印刷した化粧合板(ラミネート天井)を使用してあるケースが多くあります。
この天井の場合、年数が経つことにより接着剤が表面へと出てきてしまいます。
この溶け出た接着剤がシミにように広がり、見栄えを損なう理由となります。
じわっと全体に広がるわけではなく、継ぎ目を越えて棒状にシミが出現しています。
雨漏りかどうかの判断がつきにくいため、一度プロに見てもらう方が良いでしょう。
雨漏りではないと判断をされた場合、ご自身でもDIYで修繕ができますし、業者に依頼しても、比較的安い費用で修繕が可能です。
ラミネート天井の修理方法
腐食しているわけではないため、天井の張り替えは必要ありません。
薄いベニヤ板を貼り付け、クロスで仕上げる方法でしたら、DIYも可能で、依頼しても比較的コストを抑えられます。
天井をめくって張り替える場合は、ラミネート天井めくり、石膏ボードで下地を作ります。そしてパテ処理を行ってからクロスを張り、最後にコーキング処理を行うため、ご自身でDIYは難しいでしょう。
緊急性 | いつでも大丈夫 |
修繕日数 | 1~3日程度 |
クロス仕上げ費用 | 1畳当たり1万程度 |
天井をめくって修繕する費用 | 一般和室11万程度 (クロスの種類により異なる) |
メリット | 部屋全体の雰囲気がガラッと変わる |
※施工面積・条件により異なる
菅の水漏れ
天井の上に水の流れる管がある場合は、経年劣化により水漏れを起こす可能性があります。
また、最近のおしゃれな家では、見た目をすっきりさせるために、天井に埋め込んだエアコンを使用される場合がまれにあります。
空気を送るファンから水滴が飛んでしまい、周囲に黒カビによるシミが出来る場合も。
シミの上にトイレや水道が設置されていたり、エアコンが設置されている場合は、管の漏れを疑った方がよいでしょう。
管漏れによる修理方法
まず、シミが出来ている真上を調べ、管に異常がないかどうかを調べます。
目で見える範囲で、配管に水がついていた場合は、水回りの業者に連絡をしましょう。
経年劣化や地震などで配管に問題が出ているとしたら、他の場所でも同様の被害が起こる可能性もあります。
そのため、他の箇所も合わせて調べてもらった方が良いでしょう。
ちなみに、配管の目視によるチェックは、どの業者でも無料でやってくれる場合がほとんどです。
また、エアコンから飛んだ黒カビによるシミは、高圧洗浄で落とすか、漂白剤を薄めた液で汚れを落とすなど、セルフでも対応は可能です。
緊急性 | ダメージが出続けるので 早い方が良い |
修繕日数 | 1~3日程度 |
水道管の破損 | 2~5万程度 |
上階の水回りから雨漏り | 5~15万程度 |
※施工面積・条件により異なる
天井の黒いシミのまとめ
シミと言っても、原因がそれぞれ違うため、思い込みや素人判断で処置をしてしまわないようにしましょう。
また、業者に連絡をする時は、
・いつごろからシミが気になりだし始めたのか
・予測される原因
・家の作り
・シミの形状
を伝えるようにすると、業者も比較的早く対処することができます。
しっかりと原因を突き止め、雨漏りをしっかりと止めます! ぜひ一度スーパーホームレスキューへお電話下さい。