賃貸住宅に雨漏りが発生!家賃減額はできる?退去費用は誰が負担してくれるの?

雨漏り賠償請求mini point

入居者の過失ではないケースに限り、雨漏りで賃貸住宅の部屋が使用できなくなった場合には家賃減額請求を行うことができます。

また、ひどい雨漏りの場合だとその賃貸住宅に住めなくなることがありますが、この場合退去費用をオーナーに請求することができるのでしょうか?

今回は、民法と契約書の視点から家賃減額請求ができるのかどうか、そして退去費用をオーナーに請求することができるのかについて詳しく解説していきます。

雨漏りで部屋が使えない!改正民法で家賃減額ができるように

賃貸住宅は経年劣化で雨漏りが発生することがあり、部屋の一部が使用できなくなることもあるでしょう。

この場合、民法上では入居者は家賃減額請求を行うことが可能です。

そこでここからは、オーナーが負う義務や家賃減額請求について詳しく解説していきます。

賃貸人は雨漏りを修繕する義務を負う

賃貸住宅の経年劣化による雨漏りの発生は、オーナー側に修繕義務があります。

これは民法606条で以下のように定められています。

(1)賃貸人は賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う。ただし、賃借人の責めに帰するべき事由によってその修繕が必要になったときは、この限りではない。
【参照】e-GOV法令検索

要約すると、入居者の過失で窓ガラスを割った、天井を傷つけたなどではないケースで賃貸住宅から雨漏りが発生した場合は、オーナーは修繕しなければいけないということになります。

改正民法で家賃減額が可能になった

2020年4月からの改正民法では、「設備などが故障により一部使用不能になったときに、これが借主の過失によるものでなければ、使用できなくなった部分の割合に応じて、当然に賃料は減額される」と明確に規定されています。

しかしどのくらい家賃減額されるのかについては明記されていないため、オーナーとの話し合いで家賃が減額される金額が決まることが一般的です。

公益財団法人 日本賃貸住宅管理協会によると、雨漏りの場合の家賃減額の割合を「5〜50%」としており、雨漏りによって天井や壁などにカビが発生している場合は50%(免責日数7日間)としています。
【参照】公益財団法人 日本賃貸住宅管理協会

そのため、民法上では賃貸住宅で雨漏りが発生した場合は家賃減額を請求することが可能です。

契約書上では家賃減額は請求は難しい

賃貸住宅を契約するとき、「賃貸借契約書」を締結しますが、この賃貸借契約書には賃料について「協議の上改定することができる」と記されていることが一般的です。

この「協議の上改定できる」ケースは、主に以下のようなケースのことを指します。

  • 土地や建物に関する租税やその他負担が大きく変わったケース
  • 土地や建物の価値や経済状況に大幅な変動があったケース
  • 周辺の同等物件と比較して賃料が不相当になったケース

雨漏りによって部屋や設備の一部が使用できなくなったケースだと、上記3つのケースに当てはまるとは言い切れません。

そのため契約書上では、雨漏りが原因で家賃減額を請求することは難しいと言えるでしょう。

しかし雨漏りを発見して速やかに管理会社やオーナーに連絡しているにもかかわらず、早急な対応が取られなかった場合、家賃減額交渉を行うことが可能です。
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賃貸の雨漏りで住めなくなった時の退去費用は誰が負担するの?

賃貸住宅の雨漏り状況によっては、雨が降るたびに床に水溜りができるほど雨漏りが起こるケースもあるので、雨が降るたびに不安という方が多いでしょう。

このようなケースだと、退去して新しい部屋に引っ越した方が精神的にも落ち着くことから、退去することを考えている方も多いと思います。

疑問

このように、賃貸住宅が原因で退去する必要がある場合は、退去費用をオーナーに請求することができるのでしょうか?

結論を言うと、「とても難しい」が答えです。

もし雨漏りが発生しているのに、オーナーが何も対処してくれなかった場合は退去するしか方法がない、と解釈されるので、退去費用を請求することが現実的になります。

しかし雨漏り発生時にオーナーが業者を派遣して対処してくれている場合は現実的ではありません。

退去費用をオーナーに負担してもらえるかどうかは、オーナーとの話し合い次第なので、まずは家賃減額請求を行った方が良いでしょう。