屋根の板金修理
今回お問い合わせ頂いたお客様は、栃木県の那須塩原にお住まいの方。
ホームページより お問い合わせを頂きました。
屋根の板金?が捲れてしまっているので、早急に対応をお願いしたい
お客様の現状
まずはいつもと同じように、お電話でのヒアリングをさせていただきました。
「板金が捲れていることに気づいたのはいつ頃ですか?」
「最近です。強い風が吹くと音がして気づきました」
お客様のお話からすると、場所は下屋の棟ではないかと思われました。

板金がめくれているということは、板金を止めている貫板と呼ばれる下地材が見えてしまっているということで、屋根の内部に雨水が侵入しやすくなっています。
そのため、雨漏りしてしまう可能性が高くなってしまうのです。
問題点
築年数は20年位とのことも考慮すると、もしかしたら他の部分の板金も捲れるまではいかないものの、釘が浮いているなどの問題点があるかもしれません。
普段お客様が見ることのできない2階の板金も写真を撮って、一緒に確認をしていただきました。
実際には軒先から、3分の1程度捲れていました。
さらに下地材の貫板で使用されている木材も、腐食が進んでおりそのまま使える状態ではありませんでした。
他の板金もチェックしてみましょう。
やはり 他の板金部分も釘の浮き、釘がなくなっている箇所もありました。
この状態では捲れるだけでなく、板金自体が飛んでしまい、さらに被害が広がってしまう可能性があります。
幸い、雨漏りはしていないようでしたが、このままの状態では雨漏りしてしまいます。
お客様にもこれらの問題点をお伝えし、状況の深刻さと早急な処置が必要ということをご理解いただきました。
板金とは
そもそも棟板金とはなんだろう?
と疑問に思う方もいると思います。
棟板金は屋根材を覆っている金属部分のものです。
主にスレート系の屋根に多いです。
屋根と屋根の面の堺(山になっている角の一辺)の部分です。
ここは、どうしてもスレート系の屋根材では覆うことができません。
棟板金で覆うことにより屋根材を固定し、雨水の侵入を防ぐとことを目的としているものです。
これらのことを踏まえると、屋根にある板金類も定期的にメンテナンスが必要です。
貫板と板金の交換工事
お問い合わせいただいたお客様のお家は、板金の捲れが1箇所と、板金を固定している釘が全体的に浮いていて、一部無くなっていました。
まずは、既存の板金を固定している釘を抜いていきます。
釘を抜き板金を外すと、下地材である貫板が見えます。
貫板はビスで止まっていることが多いです。
ビスを外し、貫板も取り外します。
取り外した箇所を掃除して、コーキング材を使い、貫板のビスが刺さっていた箇所の穴埋めをしていきます。

もともと穴が開いていない箇所に穴を開けているわけなので、雨水が入ってきた場合そこから雨漏りしてしまいます。
普段は、板金に覆われているため雨水が浸水しづらい箇所ではありますが、穴が開いたままだと雨漏りの可能性が高くなってしまうのです。
そのため、しっかりと穴埋めを行うことで、少しでも雨漏りの可能性を減らしていきます。
続いて貫板の設置を行います。
貫板にも種類がいくつかあります。
・プラスチック樹脂製
・防腐剤処理された材木
どちらも普通の材木に比べ、腐食のスピードが遅いので耐用年数が伸びます。
板金の取り付けに入ります。
屋根工事の基本として「下から上へ」という点から、軒先(低い位置) から棟側(高い位置)へ施工していきます。
板金と板金のつなぎ部分は、重なる部分にコーキング材を処理し、板金の加工を行い、嚙合わせるように板金をつなげていきます。
最後に板金を釘で 固定し施工完了です。
今回のお客様は、板金が捲れてからお問い合わせをいただきましたが、大切なお家へダメージを受けてしまう前に、定期的にご自宅の診断を行っていくことをお勧めします。
板金メンテナンスのタイミング
では「どの タイミングで?」とお考えになるかと思います。
お家の立地、環境にもより劣化具合に差が出ますが、10年~20年程で一度専門の業者に見てもらうことをお勧めいたします。
1度見てもらうか、大きな問題が生じてから見てもらうのか、では大きな差が出てしまいます。
大きな問題が生じてからだと、その分大掛かりな工事になるケースが多く、一度にかかる費用も多大なものになってきます。
メンテナンスとして定期的に見てもらうことで、大きな問題が生じる前に手を打つことができるます。