群馬県太田市のお客様。
お部屋の天井中心から雨漏りがしているとのことでした。
家は木造二階建ての瓦屋根。
築年数は50年ほどです。
目視調査
雨漏りの箇所を見させてもらいました。
雨漏りは、二階の部屋の中心付近、屋根面から見ても中心付近です。
近くの押し入れに、屋根裏へ入れる点検口がありましたので、中へ入らせてもらうことに。
屋根裏がなぜか明るい
本来、屋根裏は光が入ることはなく真っ暗なものです。
しかし、屋根面から、細かな光が多数入り込んでいました。
ここでまず、防水シートの破損が予測されます。
多数の雨漏りを起こしていた形跡
実際に漏れている箇所は一ヵ所とのこと。
ですが、屋根裏を確認してみると、建材(木材)に、大小含め20箇所ほど輪ジミが確認できました。
浸水の足跡と呼ばれるシミです。
シミ例
雨漏り状況を推測
- 木材に雨漏りのシミが多数ある
- 外の光が無数に入り込んでいる
防水シートが破れている状況かと思われます。
屋根にも上がり、瓦をずらして確認してみました。
やはり防水シートがだいぶ破れていました。
防水シートの破損原因は劣化
今まで屋根工事の経歴もなく、屋根面に外的物損も見受けられないことから、「防水シートの劣化による浸水」と診断。
防水シートの耐用年数は15~20年
雨漏りしやすい環境も
また、南面の屋根が特に状態が悪く、北側に面している屋根の状況のが良いということもわかりました。
お客様によると、風を伴った雨が降るときは大体、南からが多いということでした。

漆喰の損傷も問題
他にあった問題点としては、棟の面戸漆喰が損傷していて、所々漆喰が落ちてしまっていました。
まだ棟の歪みもなく、状態は悪化する手前でしたので、漆喰の詰め直しだけで済む状態でした。
これが酷い状態になってくると、「棟の取り直し」となります。
一度棟を撤去し立て直すので、大掛かりな工事をしなくてはならなくなります。
漆喰は長持ちするが、割れやすい
もし漆喰の剥がれを放置すると
「面戸漆喰」とは、棟の土台を覆っている漆喰のことを言います。
この漆喰があるおかげで、棟の内部に入れてある土が外に流れ出ることを防いでくれています。
なので面戸漆喰がはがれてしまい、棟内部の土が流れ出てきてしまうと、棟の歪み・崩壊を招き、雨漏りに直結してしまいます。
ですので、メンテナンスを定期的にしておくことが必要でしょう。
工事内容
今回の工事のご提案内容は、防水シートの交換がメインの「葺き直し」と「面戸漆喰の詰め直し」です。
防水シートの交換手順の説明をします。
まずは既存の屋根材(今回は瓦)の撤去。
次に野地板(下地材)の補修・交換です。
大体、雨漏りしているケースでは、野地板まで雨水が浸透してしまい、腐食していることが多々あります。
この状態を放置しておくと、屋根が抜け落ちてしまうこともありますので、補修・交換を行います。
野地板まで終わりましたら、防水シートが施工できるように掃除。
防水シートを張り付け、次は瓦を掛けるための桟木(瓦桟)を取り付けた後に、瓦を葺き終了となります。
今ある瓦の再利用
既存の瓦の状態がまだ良いため、新しい瓦を使う「葺き替え」ではなく、今までの瓦を再利用する「葺き直し」でご提案しました。
面戸漆喰の工程は詰め直しなので、基本的には表面に新しい漆喰を塗り重ねていきます。
ですが、ここで注意しなければならないのが「塗りすぎ」です。
漆喰の塗りすぎがダメな理由
塗りすぎて、漆喰が棟をよりも外に出てしまうと、雨漏りを誘発してしまいます。
なぜなら、棟から流れてくる雨水の受けになってしまい、棟の内部まで雨水が侵入してしまいます。
その結果、普段は雨水が入ることのない箇所から雨水が入りこんでしまい、雨漏りの原因となってしまうので注意が必要です。
家の中心から雨漏りした家のまとめ
今回は、防水シートの交換「葺き直し」が2階屋根全面となり、費用がそれなりにかかってしまう工事内容です。
ですが、日頃から専門業者を呼んで見てもらうなどすることで、一度にかかる費用は確実に抑えられたでしょう。
早期発見ができていれば、部分的な防水シートの交換もできます。
気になる方は、一度「不安だから見てもらいたい」とお問い合わせ下さい。