二階建てなのに《一階》から雨漏り【お客様例4 埼玉】

1階の雨漏り施工事例

今回のお客様は、二階建てなのに《一階》から漏れているお客様の事例です。

お問い合わせいただいたお客様は埼玉県にお住いのお客様です。

築年数は29年、木造2階だての一軒家です。

問い合わせ内容

二階はなんともないのですが…、なぜか一階の天井から雨漏りしています、とのことでした。

気づいたのは数日前なのだそうです。

雨漏りは、一番上の屋根から水が入るイメージがありますよね。

ですが、壁や配管、サッシや換気口など、様々な個所から雨漏りは起こる可能性があります。

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様々な個所からの雨漏り

電話でのヒアリング

・いつ雨漏りがおこるのか。
・雨漏り付近にある設備
・工事歴
・気になった箇所

など、お電話で何点か質問をいたしました。

いつ雨漏りするのか

まずは「雨の日だけもれますか?」と質問をさせていただきました。

お客様の答えは「はい」とのこと。

この質問は、雨漏りなのか、水道管による水漏れなのか、ある程度、可能性を絞り込むためです。

「二階建ての一階から漏れている」というお問い合わせが意外と多いのが現状です。

なぜなら二階への水道、二階からの排水管が一階の天井裏を通っている家のつくりがあるからです。

もし雨の日以外でも漏れているのであれば、水道設備による「水漏れ」の可能性が高いということになります。

ですが、今回は「雨の日だけ」ということなので雨漏りの可能性が高いと判断しました。

雨漏り面に近いベランダの有無

次に「漏れている側の建物面の二階にベランダがありますか?」という質問です。

この質問は、1階の雨漏りは、ベランダの不具合、防水、排水に問題がある場合が多いからです。

因みに、この質問に対してお客様の答えは「あります」とのことでした。

防水工事の有無

さらに「ベランダ防水の工事はしたことがありますか?」とお伺いしました。

「ありません。多くの物が置きっぱなしになっている状態です」とお答えいただきました。

疑わしい箇所の有無

最後に「お客様の思うところで、ここから浸水していそうという箇所がありますか?」という質問をしました。

お客様からは
「雨漏りしている面の一階と二階の間くらいの高さに外壁にクラック(ひび割れ)があるからそこから浸水しているのではないか」とのことでした。

ある程度の状況の把握と確認ができたので、次はご自宅にお伺いして雨漏りの浸水経路を特定できればと思います。

ヒアリング結果


・漏れている面にベランダがある。
・ベランダ防水の工事歴はない
・さらに物がずっと置かれている状態。
・雨漏り面の外壁にひび割れあり。

ヒアリングによると、ベランダと外壁に問題があると考えてよさそうですね。

雨漏り住宅の現状

現場調査当日です。

まずは漏れてしまっている一階の部屋を確認させてもらいます。

場所は南側に面した居間でした。

確かにサッシ上の天井から壁伝いに水跡が確認できました。

漏れている箇所と反対側に押入れがあり、押し入れ内の天板が点検口になっていたので内部に入ることはできませんでしたが、ライトで照らして確認を行うことはできる状況でした。

確認の結果、まだ上のほうから漏れているようでしたので二階を見せてもらうことにしました。

ベランダの現状

漏れている箇所の斜め上がベランダになっていました。

ベランダに物が置いてあるということを電話で聞いてはいましたが、予想以上の物量でした。

まずはベランダ全体が見えるように置いてある物の移動から始めました。


―――全体が見えるようになりました。

防水の種類はウレタン防水でした。

ウレタン防水とは

ウレタン防水とは正式には「ウレタンゴム系塗膜防水」と言います。
液体状のウレタン樹脂を塗り、その材料が化学反応して硬化するとゴム状で弾性がある一体性のある防水膜が出来上がります。
液体状の材料を使用しての工法なので、複雑な形状をした場所でも継ぎ目のない防水膜を仕上げることができます。
一番採用されている防水の種類だと思います。

お客様のベランダの状態は、
防水が劣化して亀裂が入っている箇所

膨れている箇所

ウレタン防水の塗膜が完全に剥がれ落ちてしまって完全に下地が露出してしまっている箇所がありました。

ベランダに関しては以上の問題点より、浸水の可能性が高い箇所の一つとします。

ヒビ割れた外壁の確認

次にヒアリングで聞いた「お客様目線における問題点」である外壁のクラックを確認します。

まずは外壁の種類の確認です。

種類はモルタルでした。

塗装は吹付塗装が施されてあり、塗料の色褪せ等はありませんでした。

お客様に「塗り替えはされましたか?」とお尋ねしたと所、5年くらい前に塗り替えたとのことでした。

塗料は問題ありませんでした。

ですが、ぱっと見ただけでもクラックが何個もあり、場所によってはクラックの幅も長さもかなり大きいものもいくつかありました。

位置を見ても、十分に浸水箇所の可能性が高いでしょう。

雨漏り以外にも問題点が無いか見回ると・・・。

スレート屋根と破風板、軒天が塗り替えの時期でした。
屋根塗装の時期

雨漏り調査方法

散水調査
ご提案は「散水検査」を推奨しました。

~理由~

  • ベランダ防水の劣化
  • 外壁クラック
  • 屋根塗装の劣化
  • コーキングの劣化
  • 下屋からも浸水の可能性があり

と、複数個所から浸水の可能性があり、費用は極力抑えたいというお客様の要望があったためです。

そのために散水検査を行うことで、浸水箇所を特定し、できるだけ費用を抑えた工事のご提案ができました。

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雨漏り箇所の特定

散水検査を行いました。

結果はベランダの防水、外壁クラックの2箇所からでした。

その後の工事内容は「ベランダ防水工事」「外壁クラックの補修」に加えお客様よりご希望いただいた「屋根の塗り替え」をご依頼いただきました。

雨漏り修理後

施工後に止水検査を行い、きちんと雨漏りが止まっているかを確認しました。

今回のように多数の浸水経路が考えられるときは、まずは散水検査からご検討いただくのもよいかと思います。 

  
 
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